論述試験ノート

コピペして来年の公務員試験に使ってください。執筆者は、本番前までに全暗記して臨みました。頑張って!

政治学

 政治学は、とにかく論点が多く、ヤマを張るのが難しいのが特徴です。攻略方法としては、小トピックのストックをたくさん準備しておき、本番ではそれらを組み合わせて一つの答案にするとよいともいます。

 大学院で専攻していたので、既存知識だけで対応しようと思い、他科目のように完全な形での書き起こした答案は準備しませんでした。

 

 

Ⅰ. 重要用語

 これら単体では問われることはないが、知っておくと論述の文字数稼ぎに便利。

 

◆権力と強制力

 権力とは、「AがBに命令をし、ある行為をさせる能力」である。権力の背後には強制力がある。

 強制力とは、服従の可能性を裏付けるものである。強制力には、価値剥奪によるものと、価値賦与によるものとがある。

 

◆権力の実体概念・関係概念

 ・実体概念:権力の本質は強制力にあり、強制力を持つ少数者が、他者を服従させる(ホッブズマルクス)。権力が一方的に行使される側面を重視する。

 ・関係概念:権力者と服従者の間には何らかの相互作用がある(ロック、ダール)。合意の要素を重視する。

 ・ラスウェルの権力観:権力行使の基盤となるものを権力基底power baseと呼び、権力基底の多元性を想定する。

 

◆政治権力と社会権

 他の社会権力と比べて政治権力に特徴的なことは、政治権力だけが合法的な暴力装置を独占しており、強力な物理的強制力をもっていること、また強制力の強さが極めて強力であることである。

 

◆権力の零和概念・非零和概念

・政治権力の社会的機能は「目標達成のために社会的資源を動員する能力」である(パーソンズ)。だから、政治権力は、短期的には個人の自由を制限するが、より長期的には、個人もまた社会組織の権力行使に依存していることになる。

・権力の零和(ゼロサム)概念とは、政治権力が服従者の利益の収奪によって成立しているとする観点である。非零和(ノン・ゼロサム)概念とは、政治権力が社会全体としてはプラスの利益を生んでいるとする観点である。パーソンズは、権力の社会的効用を重視して、非零和概念を呈示した。

 

◆支配の正当性

 服従者の自発的承認を得ると、権力は権威として受け入れられたことになる。これをウェーバーは「支配」と呼ぶ。

1)合法的支配:制定された規則に服従する(近代国家の多く)

2)伝統的支配:支配者の持つ伝統的権威に服従する(王朝)

3)カリスマ的支配:支配者のカリスマ性に対する人々の帰依に依拠する

 

◆政治的リーダーシップ

 一定範囲の人々を一定の目標に向けて統合し、方向付けていく作用をリーダーシップという。自発的支持によるのをリーダーシップ、地位によるのをヘッドシップという。影響力を発揮する側(リーダー)と受ける側(フォロワー)との間には相互作用があり、しばしば両者は協力的関係にある。

 

◆リーダーシップの特性論・状況論

1)特性理論:リーダーシップをリーダー個人に焦点を当てて議論し、リーダーとしての役割の遂行に必要なパーソナリティを扱う。

2)状況理論:リーダーシップを、その社会や、その集団の状況と関連づけて分析する。

 リーダーシップの効果は、集団の目標を達成する程度(生産性)と、集団の成員を満足させ、集団の結束を維持・強化する程度(凝集性)とで測られる。また、リーダーシップは、特性と状況の関数でもある。

 

◆政治的リーダーシップの類型

1)伝統的リーダーシップ:慣習や伝統的様式に則って集団をまとめていく型。

2)代表的リーダーシップ:大衆の利益を代表して行動する型。

3)投機的リーダーシップ:大衆の生の欲望を、その場その場で満たしていく型。

4)創造的リーダーシップ:これまでの価値観とは別のビジョンを提示して、支持を集める型。

 1)2)は安定した社会状況に、3)4)は不安定な社会状況にみられる。

 

◆リーダーシップの類型(ホワイト、リピット)

1)専制的リーダーシップ:活動方針など一切をリーダーが決定し、手順も一方的に命令し、理由など説明しない。

2)民主的リーダーシップ:方針を集団の討議で決定し、何ごとも納得いくまで進め、リーダーは激励と技術的アドバイスを与える。

3)自由放任的リーダーシップ:成員まかせで、リーダーはほとんど関与しない。

 

現代社会の権力構造

 政治権力の分布状態を権力構造という。

1)マルクス主義(階級社会論)

 社会は2階級から構成され、二つの階級の対立がその社会を特徴づける。

 資本主義社会では、資本家階級(ブルジョワジー)と労働者階級(プロレタリアート)が対立する。

 経済的支配階級がそのまま政治的支配階級になり、国家は被支配階級を支配し、抑圧するための暴力機構である。

 

2)多元主義プルーラリズム

 現代社会では、多数の集団が独立的に存在し、集団同士が互いに相手の力を制約するので、社会全体では抑制と均衡が達成されている。リースマンの拒否権行使集団(圧力団体)論、ダールの地域権力構造分析など。

 

3)権力エリート論

 一部の集団に権力が集中化し、それらの集団が相互に結びついて「パワー・エリート」を形成する。ミルズ、ハンターなど。



Ⅱ. 出題されやすいテーマ

 

◆政治文化の類型

〔1〕アーモンド・ヴァーバ

  アーモンドとヴァーバは、アメリカ・イギリス・西ドイツ・イタリア・メキシコについて、比較世論調査を実施し、その結果、メキシコを未分化型政治文化、西ドイツとイタリアを臣民型政治文化、アメリカとイギリスを参加型政治文化に分類した。

 この分類に対しては、アメリカやイギリスのみがデモクラシーに適合的であるとされていることから、西欧中心主義的な文化決定論であると批判が寄せられている。

 

①未分化型政治文化

 この類型に属する人たちは、政治システムに対する関心がゼロに近く、政治の存在にすら気づいていない。伝統社会がこれに相当する。

②臣民型政治文化

 この累計に属する人たちは、特定化した政府の権威・政治システムは意識しているが、政治的要素や政治参加には関心がなく、政治システム二対して受動的・服従的な態度をとる。例えば、フランコ時代のスペインのような独裁政権下の国家、戦前の日本やドイツがこれにあたる。

③参加型政治文化

 この累計に属する人たちは、政治システム全体、そして政治的欲求と政府の下す決定の両面に対し、関心をもっている。

 

 アーモンドとヴァーバは、民主主義的な政治システムを安定させる政治文化を、臣民型と参加型の混合に求め、これを市民文化とした。

 

〔2〕アーモンド

 アーモンドは、民主主義的体制を政治文化が同質的か断片的かによって、英米型とヨーロッパ型に分類し、政治文化が同質的な英米型が、安定的で、優れているとした。これに対し、レイプハルトは、政治文化の観点に、エリートの行動が協調的か敵対的かという観点を加えて多極共存型民主主義の理論を提示し、べネルクス3国・スイス・オーストリアなどの事例を用いて、多元的社会であってもエリートの協調・相互拒否権・比例原則原理・セクションの自律性によって安定した民主主義体制が可能である。

・エリートの協調:多元社会のあらゆるセクションの政治的指導者が、その国を統治するのに協力すること

・相互拒否権:多数派を保護するために、全会一致で決定すること

 

・比例原則原理:政府補助金という形で、財政的希少資源を配分することであり、また、政策決定にあらゆる集団が数の上での力に比例して、決定に影響を及ぼせること

・セクションの自律性:少数派が関心を独占している領域に関しては、少数の自決を認めること

 

〔3〕レイプハルト

 レイプハルトは、近年の民主主義を、コンセンサス型とウェストミニスター型に分類した。コンセンサス型は、様々な宗教や文化がある多元的な社会にふさわしい型であり、多数派の強制ではなく幅広い合意を追求する。(スイス・ベルギー)ウェストミンスター型は、多数決の原理に基づいて、過半数を獲得した政党に権力を集中させるもので、同質的な社会でふさわしい。(イギリス・日本)

 








◆ダールのポリアーキー

 ダールは『ポリアーキー』に、民主主義という論理的で曖昧な概念に変えて、より分析的なポリアーキーという理論を提示し、政治的体制の国際比較を可能にした。

 まず、デモクラシーの条件として、政治参加の拡大を示す包括性と、公的異議申し立ての許容度を示す自由化の2つの軸を重視し、この両面が制度として実現していくことを民主化と位置付ける。包括性と自由化が十分に発達した政治体制をポリアーキーという。ポリアーキーは、不完全なデモクラシーであるが、現実に存在する政治体制である。

 ポリアーキーが可能となるためには、政治的に保障されるべき条件として、自由かつ公平な選挙権、平等な被選挙権、政治的リーダーが民衆の支持を求めて競争する権利が必要。

 

 

 包括性と自由化の2つの軸により、ポリアーキー以外に3つの政治体制がある。まず、両者とも低い政治体制のことを、閉鎖的抑制体制と呼び、絶対主義の頃のヨーロッパが該当する、次に、包括性は低いが、自由化が高まった政治体制を競争的寡頭体制とよぶ。制限選挙に見られる、地主や帰属に政治の自由化が先行して成立していく体制である。第三に、包括性が高いものの自由化が低い政治体制を包括的抑圧体制という。完全な普通選挙制は成立しているものの強力な政治権力によって言論の自由などが抑圧されている状態。

 

 ポリアーキーへと発展してくためには、3つの経路がある。

 第一に、閉鎖的抑圧体制から競争的可能体制を経て、ポリアーキーへ発展していく経路であり、主に西欧諸国が該当する。

 第二に、閉鎖的抑圧体制から包括的抑圧体制を経て、ポリアーキーへ発展していく経路であり、主に東欧諸国が該当する。

 第三に、閉鎖的抑圧体制から革命ないし独立によって、ポリアーキーが実現する経路でありアメリカが該当する。

 

◆投票行動理論

・投票行動

著名な投票行動研究に、コロンビア学派とミシガン学派が行ったものがあり、前者が社会学的アプローチをとったのに対し、後者は社会心理的アプローチをとった。

 

・コロンビア学派

ラザースフェルドらのコロンビア大学のグループは、アメリカ大統領におけるエリー調査で、同一の回答者に繰り返し調査を実施するパネル調査を初めて導入した。そして、投票行動は、有権者の政治的先有傾向により規定され、政治的先有傾向は、特に社会的地位・宗教・居住地域の3つの要因により形成される。

 

・ミシガン学派

キャンベルらのミシガン大学のグループは、社会的心理学的要因を導入したモデルを提示した。そして、投票行動は有権者心理的要因に影響されるとし、心理的要因は、争点態度・候補者イメージ・政党帰属意識(政党支持態度)で構成され、有権者の投票の政党に対する心理的愛着ないし忠誠の感情である。

 

 ミシガン学派は、選挙を、現状維持型・再編型選挙・逸脱型選挙に分類した。現状維持型は、政党への忠誠が変わらない選挙、再編型は有権者の政党帰属意識自体が大きく、構造変化するような選挙、逸脱型は有権者の態度の一時的な逸脱によって政権が移動する選挙である。

 

 ミシガン学派によれば、有権者は、政策争点よりも、政党帰属意識や候補者イメージに基づいて投票していることにより、有権者の合理性に対する疑いが出てくる。これに対し、フィオリーナは、業績投票の理論を提示した。業績投票の理論によれば、有権者の合意性を確認するためには、政策争点に基づいた投票が行われているかどうかは必要なく、政権政党の過去の業績に対する判断に基づいて有権者が投票しているかどうかが必要である。

 

マスコミュニケーション

特定の送り手が、不特定多数の受け手に対して、マスメディアを通じてパブリックなメッセージを発する過程のこと

 

〔1〕リップマン「擬似環境」

リップマン『世論』のにて提起。

擬似環境=自分では直接に見たり触れたりできずに他人の媒介を減ることによって関節的に経験される環境のこと。現代人は擬似環境に頼っている。

現実環境=自ら直接接触したり経験したりできる環境

 

 人間がものを見る際に、ありのままに見るのではなく、頭の中の像に照らしてそれに修正を加えている、そのような世界に対する画一的なイメージをステレオタイプと呼んだ。

 マスメディアは大量画一化された情報を流すことから、ステレオタイプ化されたイメージを構成されやすい。この単純で用意なイメージは直接的に検証されることなく、我々に受け入れられていく。現実環境は直接的に検証することも可能であるが、擬似環境は直接的に検証が難しいので、そのイメージに歪みがあっても修正されることが少ない。マスメディアの発達によって、人々のコミュニケーション可能な領域は広がったが、その反面、現実環境と擬似環境のずれが大きくなり、人々はステレオタイプに支配されている問題。

 

〔2〕ラザースフェルド「二段階の流れ」

  ラザースフェルドは1940年のアメリカ大統領選の人々の投票行動を、オハイオ州エリー郡で調査。その結果は、限定効果論を論証(マスコミの効果は限定的なもの)するもので、調査の仮説として、「コミュニケーションの二段階の流れ」を提示。メディア(送り手)から発せられた情報は直接一般大衆(follower)に伝達されるのではなく、オピニオンリーダーからpersonal communication(比較的小規模の人間間での言葉・身振りなどのメディアを通じてパーソナルなメッセージの交換をすること)によって一般大衆に伝えられる。マスコミュニケーションよりもpersonal communicationの方が投票行動に影響を与える。

 意義:一般大衆は理性的に負担の高いものを避けて情緒的な満足を求めるから非理論的な存在。personal communicationにおいて、受信者と発信者の立場が入れ替わることがあるから、受信者が理性を働かせるきっかけは常にある。民主的な社会の担い手にとってpersonal communicationは重要。

 

◆マスメディア

マスメディアは、現代政治を成立させるために不可欠な要素であり、1930年代ごろから、その機能や効果について研究が進んできた。

 

 

【機能】ラズウェル

ラズウェルはマスメディアの潜在的機能を以下のように分類。

①環境の監視機能

釈迦の内外で生じた政治的事象を社会のメンバーに伝える監視的機能

 

②社会諸部分の相互の関連付け

社会内部の政治的事象を解釈し、それを相互に関連され、社会メンバーの方向付けをする

 

③社会的遺産の伝達機能

政治文化や社会的規範を次世代へ伝達する機能

 

【機能】ラザースフェルドとマートン 

ラザースフェルドとマートンは、メディアの潜在的機能を以下のように分類。

①地位付与の機能

社会的問題や人物をメスメディアが取り上げることで、それらを正当化し威信を与える機能

 

②社会的規範の強制機能

マスメディアが事件や人物を講習の前に晒すことで、社会の規範や道徳基準を活性化し、補強する

 

③麻酔的逆機能

マスメディアから大量の情報に接している人が、受動的に情報を吸収することで満足を得て、社会への能動的参加をしなくなる状態を作り出す機能であり、政治的無関心の一つの要因にもなっている。

 

【効果】皮下注射モデル

マスコミはあたかも受け手に巨大な注射器でメッセージを一方的に注入して、直接かつ即時的な影響を与え、受けての無批判的同調性を生み出すという強力効果論である。

 

【効果】限定効果説

①クラッパーは皮下注射モデルを批判し、マスコミの効果が、メディアの内容以外の条件によって限定されていることを定式化した。マスメディアは、一方的に受け手に対して直接作用するのではなく、様々な要因に媒介されて作用しており、それらの媒介要因によって、通常受け手の考え方を改変するというよりは、補強する傾向が強い。

 

②ラザースフェルドはコミュニケーション2段の流れ説を提唱した。この説は、コミュニケーションは、マスメディアから直接的に一般大衆に伝達するのではなく、オピニオンリーダーを介して、段階的に伝達される。マスメディア以上に、このオピニオンリーダーが周囲の人々の影響を与えている。

 

【効果】新効果強化論

1950年代頃から、テレビ番組の普及もあり、マスメディアの影響力について、限定的に捉える見解に疑問が生まれ、新強化効果論が提唱された。

①ノエルノイマン

ノイマン沈黙の螺旋仮説を提唱した。この説は、マスコミに伝えられる意見は、それが実際には有力な意見ではないにもかかわらず、外見上は有力な胃炎であるように人々に受け止められる。そのため、マスコミの意見とは異なる少数意見を持っている人々は、周囲の人々から孤立を避けようとし、人前では沈黙を守ろうとする。そして、このように、沈黙を守ろうとするものが螺旋的に増幅するというものが、沈黙の螺旋説である。

 

②マコムズとショー

マコムズとショーは課題設定機能を提唱した。人々は、マスコミが、ある特定の情報を強調することにより、その情報が存在することを知るだけでなく、その情報が重要であると認知する。

 

◆権力・官僚制・支配の正当性

 

 官僚制は、巨大な組織を合理的に運用する仕組みであり、頂点に独任制の長を起き、その下に行くそうものヒエラルキーを持ち、次第に末広がりに広がっているピラミッド型の統制構造を持つ組織である。ウェーバーは、官僚制のプラス面を、マートンはマイナス面を問題にした。

 

 近代官僚制は、前近代に見られる家父長制的な支配とは異なり、組織を構成する人間の関係は、能率を重視する非人格的(非人間的ではない)な結びつきによって成り立っているとされる。つまり、血縁によるつながりや感情的な結びつきなどではなく、合理的な規則に基づいて人間関係が形成されているということである。

 なお近代官僚制は、権限の原則・階層の原則・専門性の原則・文書主義のような特質を備えていることが指摘されている。

 ウェーバーは、近代官僚制のもつ合理的機能を強調し、官僚制は優れた機械のような技術的卓越性があると主張した。

 

◆近代官僚制への批判

〔1〕マートン

・官僚制の逆機能説

先例がないからという理由で新しいことを回避しようとしたり、規則に示されていないから、上司に聞かなければわからなかったりといったようなものから、書類を作り、保存すること自体が仕事と化してしまい、その書類が本当に必要であるかどうかは考慮されない(繁文縟礼)、自分たちの業務・専門以外のことやろうとせず、自分たちの領域に別の部署のものが関わってくるとそれを排除しようとする(セクショナリズム)、というような傾向を指し示している。

 

・目的の移転

規律を遵守しようとするあまり、規則の遵守それ自体が自己目的化してしまうこと。フォーマルな規則、秩序のみによって構成される官僚制は、本来組織目標を達成するための効率的な手段であるはずの規則の遵守が自己目的化してしまい、組織をめぐる環境条件の変化、組織の人的変化に順応できず、かえって事務の効率が献体し、組織の目標を達成できなくなる。

 

・訓練された無能力

社会の状況変化にもかかわらず、官僚が規則に呼集すれば、かえって機能障害を引き起こしてしまうこと。

 

〔2〕ブラウ

 人間関係論と官僚の逆機能性を統合させた。人間関係論は、人間は必ずしも機械のように動かず、非合理的な感情や欲求によって支配されており、経済的利益のみならず心理的動機や社会要因の影響も受ける多面的存在であると捉える。

 ブラウによれば、組織内部の社会的な凝集性が欠如したり、社会関係の安定性が欠如したりすると、組織構成員の地位が不安定にあり、同調過剰(規則へのあまりにも厳格な遵守に呼集すること)の行動が見られる。

 

〔3〕グルードナー

官僚制的管理を、代表的官僚制・懲罰的官僚制・擬似的官僚制に分類

代表的官僚制:上位者と下位者の相互理解によって制定された規則に基づく官僚制

懲罰的官僚制:上位者によって下位者に強制賦課された規則に基づく官僚制

擬似的官僚制:上位者と下位者ではなく、第三者が決めた規則に基づく官僚制で、上位者と下位者は規則を守っているふりをしている

 

 

〔4〕ウェーバー

権力:ある社会関係の中で、抵抗を排除してもでも、自己の意思を貫徹しうる可能性

支配:権威に支えられた権力関係

 

服従者が、支配者の権力を政党なものとみなして服従する根拠を、権力の正当性または権力の3類型という。具体的には、①カリスマ的支配伝統的支配合法的支配の3つに分類した。実際にはこれらは独立した形で現れるのではなく、相互に絡み合って支配関係を形成していると考えられている。

 

①カリスマ的支配

カリスマ的支配とは、「非凡な能力を持った支配者の魅力」に対する人々の信仰を、支配の基礎とするものであり、危機的状況において作用する。その例として、軍事的支配・預言者

 

②伝統的支配

伝統に裏付けられた権威に対する忠誠を支配の基礎とするものであり、家長制。古代王朝など。

 

③合法的支配

合法的支配とは、制定された諸秩序の合法性を支配の基礎とするものであり、官僚制がその例として挙げられている。なお、問題点としては、合法的支配では、形成的正当性を要求するので、法律としての体制さえ整っていれば、国家は何をしても自由だとする法律万能主義に陥る危険性がある。

 

◆稟議制

行政における計画や決定が、末端の者によって起案された稟議書を関係官に順次回議してその印判を求め、さらに上位官に回送して、最後に決裁者に至る決定方式のことです。

 

稟議制度のメリット

・会議のコスト削減

稟議書を活用すれば紙一枚で会議同等の内容説明、承認の意思を確認できます。

・事実確認の効率化

・承認者が内容を検討しやすい

 

稟議制度のデメリット

・最終承認まで時間がかかる

・責任の所在が曖昧

 

ロールズの正義論

 

1.原初状態と未知のベール

ロールズは、20世紀のリベラリズムの代表的な思想家。

社会契約説における「自由状態」に対応するものとして、「原初状態」を仮定する。

そして原初状態では、社会の構成は、将来の自分の地位を知ることができない「無知のベール」に覆われている。そのため、構成員は誰もが最も不利な条件に置かれた時でも甘受できる「正義の原理」を受け入れるとする。

 

2.正義の原理

ロールズの「正義の原理」は、1)最大限の平等な自由と、2)(a)公正な機会均等の原理と(b)格差原理である。

 

1)自由原理

基本的な自由は、他者の自由を侵害しない範囲で、すべての人に分配されなければならない。

 

2)社会的・経済的な不平等

(1)最も恵まれない人々の最大の利益になり(格差原理)、(2)公正な機会均等の条件の下、すべての人に開かれている職務・地位に付随するように(機会均等原理)、編成されなければならない。

 

 ロールズは、①の「自由の原理」②の「(1)格差原理」「(2)機会均等原理」の3つの原理について、実際の社会を構想する上では、①自由の原理②機会均等原理③格差原理の順番で優先し、構想しなければならない。

 したがって、ロールズは、条件付きで基本的に社会経済的不平等を是認している。これは、完全な平等を保証する社会よりも、公平な機会均等を実現する社会を目指すべきだというロールズの主張に繋がる。

 

【批判】リバタリアニズム

ロールズに対し、ノージックを代表するリバタリアニズムによる批判がある。

ノージックはロック的な所有権の考え方に基づいて、人間は自分自身を私的に所有する絶対的な権利である権限を持つと主張し、ロールズの格差原理に基づく再配分を批判した。

ロールズによれば、累進課税によって、お金持ちの所得を貧乏人に分け与えることは正義ということになるが、その所得が正義か否かの判断は、そのような手続きを経て獲得したかおいう点にあるとして、ノージックロールズを批判した。



議会政治

議会政治の原理

議会政治とは、国家の最高権力を、国民が的的に選ぶ代議員によって構成される議会におく政治のこと。

議会政治には3つの原理がある。

 

①国民代表制の原理

議員は選挙民の代理人ではなく、国民全体の代表である。バークがブリストル演説で提唱した原理。この原理では、一部の選挙民の権利に拘束されず、国民全体の利害を代表することになる。

 

②多数決の原理

意見がまとまらない時は、多数の意見を持って全体の意思とする原理である、この原理が成立するためには、まず多くの議員による慎重な審理を経て、少数意見も尊重しなければならない。多様な意見をまとめる次善方法とされている。

 

③行政監督の原理

議会は国家意思の発動を効果的に監督する機能を持っていなければならない。行政統制や不信任決議国政調査権がこれにあたる。

  

ポルズビー

 ポルズビーは、変換機能の有無で議会を分類した。変換機能とは、社会的な欲求を政策に換えていく機能のことを指す。

 ポルズビーは、変換機能がある議会を変換型と呼び、その特徴として、審議過程を通じて、提出された法案が多く修正されている。アメリカ。法案提出権は議員にしかないので、「大統領が法案を提出したい時は、その法案を「支持する議員の名で提出する。法案は専門の常任委委員会で活発な審議が行われて修正されている(委員会中心主義)。また、議員は政党からの拘束力が弱く、ログローリング・交差投票が行われることもある。

 一方、アリーナ型(イギリス)は、提出される法案は内閣提出よりも議員提出が多いが、内閣提出法案の方が成立しやすい。また、本会議中心主義(本会議で法案を審議する形式)がとられる。与野党リーダーたちの討議は、次期選挙に向けた国民へのアピールの目的がある。日本は、混合型である。



国家論

 

一元的国家論

 国家が絶対的主権を有するとする理論。社会契約説をはじめとする伝統的政治理論はこれ。しかし小さな政府の出現は、一元的国家論を主張する理由を失わせた。

 代表的論者は、ヘーゲルとグリーン、アリストテレス。グリーンは、個人と社会を結ぶ紐帯として共通善の概念を打ち出し、共通善の実現とは個人の自己実現であり、それに貢献する限り、国家の活動は正当化される。

 

多元的国家論

 多元的国家論は一元的国家論の批判から発したもの、国家と社会とは区別されるべきであり、その特権性は否定され、国家は社会全体から見ればその部分社会にすぎない。第一に、社会集団は、その内部に統一的な意思決定の機構を有する。第二に、意思決定機構は構成員を服従させるために、ルールに即して適切な指導をする。第三に、意思決定機構は非服従者に対して制裁措置を取る。 代表論者は、ラスキ、バーカー、マッキーバー、コール

・ラスキ『政治学大綱』において、国家は他の社会集団と同様に、一定の機能を遂行しうる集団にすぎない。複数の集団に所属する個人の忠誠を求めて、各集団はお互いに競い合う。

 ・バーカーは、社会の多様化によって、様々な利益集団が出現する「集団の噴出」という状況が、集団対国家の視点をもたらした。



二院制

 議会を2つの議員によって構成する制度であり、一院制と対比される。一般的に、国民の直接選挙によって選ばれる議員で組織される議院を下院と呼ぶ。

 

・イギリス型

上院の議員は貴族階級から選ばれ、下院を上院によって牽制する。戦前の日本もこれ。

 

アメリカ型

上院議員は各州の代表として選挙され、隔週の利益を議会に反映することを目的としている。

 

・日本

両院とも公選議員によって組織されている。

 

議会内閣制・大統領制

議院内閣制

 議院内閣制は、内閣の存在が意思によって定められる制度であり、議会の信任が有る限り、内閣がその地位にとどまることができるとする、議会優位の思想に基づく政治形態である。

その起源はウォルポールが、自らの内閣不信任が可決された際、国王の信任があるにもかかわらず辞職したことである。

 

議会の特徴は、

①首相は議会の多数党から選ばれ、その首相が閣僚を任命し、内閣を構成する。

②内閣は議会に対して連帯責任、議会は内閣の責任を問う不信任決議権を持つのに対して、内閣は議会の解散権を持つ。

③内閣は通常議会の多数の支持を得ているので、行政権のみならず立法権も事実上掌握していることになる。

 

□イギリス

 イギリスの首相は形式的には国王により任命されるが、慣例的には下院の第1党党首が選ばれ、国王により任命される。首相は同輩中の首席。下院を解散するには、下院の3分の2以上の多数の賛成を得る必要。また、二大政党制が確立しているため、野党が影の内閣を組織する。

 

□日本

 日本は、国会議員のなかから国会の議決で指名され、天皇により任命を受ける。首相は閣僚を任命するが、過半数は国会議員。首相は内閣の首長という位置づけ。




大統領制

 大統領制とは、国民によって選ばれた大統領が行政機関の最高責任者として効力な権限を有し、議会に対して高度の独立性を有する制度である。

 大統領制の特徴は、君主が存在していない国において採用されており、大統領は国家元首の役割を果たすこと・大統領は議会から選出・罷免されないこと(立法権と行政権の分離)が挙げられる。なお、大統領制と議院内閣制がともに採用されることもある。

 

アメリ

 アメリカ議会は大統領に対して弾劾することはできない。他方、大統領は議会を解散する権限をもたない。もっともフランスの大統領には議会の解散権があるので、大東調整だからといって、解散権がないわけではない。

 

半大統領制

 半大統領制は、議院内閣制の枠組みを採りながら大統領が大きな権限を持つ制度である。

 

□フランス

 選挙で選出される大統領がいること、大統領が憲法上大きな権限を持っていること、議会の過半数の支持により成立する首相と内閣があること

 

□イタリア

 イタリアの大統領は、議会上下両院の議員と地方代表による間接選挙で選出され、国家元首としての権威はあっても行政や軍事に関する権限はことごとく首相のもとにある。

 首相は大統領によって任命されるが、通常は議会が行う首班指名をそのまま受け入れるにすぎず、したがって首相の事実上の任命権者は議会ということになる。それではイタリアの大統領とはただの国家の象徴にすぎないのかというと実はそうでもなく、例えば議会の解散権は各方面との調整の上で機を見て大統領ひとりがこれを決断する専権事項となっている。



地方自治

 〔日本〕

 地方自治とは、国の中に存在する地方について、地方住民の意思に基づいて行われることを指す。

 国家全体の運営に関しては、同一的・均一的に運営されることが望まれるが、地方の実情や地方住民のニーズは各地方において様々であるから、これにあわせて、同一的・均一的に国家運営をすることは不可能である。そこで、地方の運営に関しては、地方の独立性を尊重する必要があることから、地方運営は地方に委ね、国は国家にかかる根本的な事項を担当し、国家は全体の調整を図るような役割分担がなされる。

 

 日本の地方自治については、日本国憲法第8章において定められている。憲法92条は、地方自治の原則を示しているが、条文の地方自治本旨とは、法律をもってしても侵害し得ない地方自治の核心部分を指すとされており、具体的には住民自治と団体自治である。

 住民自治とは、地方公共団体自治がその地域の住民の意思に基づいて行わなければならないとする原則であり、地方自治の民主主義的原理に基づく。具体的には、住民による地方議会の議員や首長の直接選挙、直接請求権、地方特別法の住民投票である。イギリスやアメリカで発展したアングロサクソン型に起源がある。

 団体自治とは、地方自治体が国から独立して自らの意思に基づいて自治を行う原理のことで、地方自治の権力分立に基づく。具体的には、条例の制定や財政が国から分離していることであり、国からの不当な干渉を受けない。フランスで発展したヨーロッパ大陸型に起源がある。

 

〔西洋諸国〕大陸型・アングロサクソン

西洋諸国の地方自治は、どのような近代化の過程を辿ってきたかによって、その形態は国によって異なる。

 

・大陸型(フランス)

 大陸型はフランスをその母国として、ドイツ、イタリア、スペインなどに波及していった地方自治の形態である。フランスなどの大陸諸国は、国民国家形成過程で絶対君主が国内の封建勢力を崩壊させ、県が国の地方下部組織であり、新たな中央集権国家を形成させて、その他方、支配の機構として自治体を創設した(以上から、集権型の地方自治とも言われる)。

 また、①国の事務権限と自治体の事務権限を分離せずに授権する形式(概括授権方式)を採用していることから、同一地域で国と自治体の行政サービスが競合する場合がある。②大陸型諸国の市町村は、自治体としての自治事務を行うのと同時に、中央政府の委任事務も請け負う(=二重の役割)、③中央政府には内政の総括官庁たる内務省が設置され、各省庁所管の事務権限の執行を知事が一元的に調節している。

 

アングロサクソン

アングロサクソン型はイギリスを母国として、アメリカなどに波及していった地方自治の形態である。古くから存在していた地方共同社会の自治と、中央政府との対立がそれほご激しくなく、地方が一定の自立性を保ち、国家主権の絶対かが制約されている地方自治のかたちである(以上の性質から、分離型の地方自治とも呼ばれる)。また、自治体が行使しうる権限を一つ一つ個別に列挙している授権方法(制限列挙方式)を採用していること、国と地方の事務権限が明確に分けられているために国が地方で仕事をするためには、出先機関をつくらなければいけないことなどの特徴がある。

 

選挙制度

小選挙区制と比例代表制

 選挙制度は、小選挙区制と比例代表制に分類される。

 

 小選挙区は一選挙区から1名の代表を選出する方法で、アメリカの上院下院、イギリスの下院、日本の衆議院の一部で採用されている多数代表制の一種である。

 多数代表制は、各選挙区の多数が議席を独占できるような代表制があり、地域社会が緊密な一体性を保有している場合に望ましい。また、小選挙区制は二大政党制になりやすく、単独過半数による安定的な政治になる可能性が高い。さらに、政党は各選挙区に1名しか候補者を立てないため、政党内の同士討ちが無くなり、政党論争が行われやすい。

 一方、1名しか当選しないことで、指標が多く発生し、少数党の議席獲得が困難。リマインダー(選挙区内の境界線を特性政党に有利になうりょうに不自然に設定・改変すること)の危険がある。

 

 比例代表制は、政党本位の選挙であり、各政党が有権者からの投票数の割合に応じて議席を配分する。比例代表制は、地域社会の一体性が失われ、利益の多様化が進んでいる地域で望ましい。比例代表制は、死票が少なくなり、少数党も議席を確保できる、多様な民意を性格に反映することができる。

 一方で、小党分立になりやすく、連立政権がよる不安的な政治になる可能性が高い。また、無所属候補は立候補できない、政党幹部に権力が集中しやすい。



 選挙区制では名前を書いて投票を行うのに対し、比例代表制のもとでは原則政党名を書いて投票を行う。しかし、参議院選挙においては一人の立候補者の名前を書いて投票することも可能。その場合はたとえ自分が投票した立候補者が落選しても死票にはならずに、政党への票となる。

 対して衆議院選挙下での比例代表制では、「拘束名簿式」という制度が適用され、あらかじめその政党の中で当選する順位が決められているので政党名で投票を行う。

 

衆議院参議院

 衆議院選挙では小選挙区比例代表並立制小選挙区比例代表制を組み合わせたもの)&衆議院選挙下での比例代表制では、「拘束名簿式」という制度が適用され、あらかじめその政党の中で当選する順位が決められているので政党名で投票

  参議院選挙では、選挙区比例代表制で、原則政党名を書いて投票を行う。しかし、参議院選挙においては一人の立候補者の名前を書いて投票することも可能で、その場合はたとえ自分が投票した立候補者が落選しても死票にはならずに、政党への票となる。



政治的リーダーシップ

 リーダーシップとは、一定の目標達成のために、集団を統合し方向づけていく作用である。このようなリーダーシップの特徴は、政治的リーダーシップにおいても共通しているが、政治的リーダーシップの分析では、組織全般ではなく政府組織や政治的指導者に着目する。

 

政治的リーダーシップ論

 リーダーの個人的特性を重要視する特性論と、リーダーシップを条件付ける環境に重点を置く状況論にわけることができる。

  特性論とは、リーダーになるためにはなんらかの特性が必要であるとする立場。

プラトンは、善のイデアを認識しかつ政治技術が高い鉄人王が統治するべきと主張。

マキャベリは、国民を操作しうる狐の知恵と、国民を服従させる獅子の見せかけを兼ね備えた君主をリーダーとすべきと主張。

ウェーバーは、死闘者たるべき政治家に必要な資質として、情熱・責任・判断力を挙げている。

 

シュミット

大衆民主主義は、議会主義の原則を骨抜きにすることで、民主主義そのものを危機に陥らせる。その結果、民主主義がその反対物である独裁を生むことになる。

 

・伝統的リーダーシップ

 指導者が、慣習や伝統に基づいて支配するもの、伝統社会でみられる。

 

・代表的リーダーシップ

 価値体系が安定した政治社会に成立するリーダーシップであり、政治的な課題は大衆の利益充足を巡って形成される。このような社会では、大衆が生活様式や価値体系の全面的な変革を求めることはないので、保守的なリーダーシップといえる。既存政党の代表がこれに当てはまる。

 

・創造的リーダーシップ

 危機的状況に際してこれまでの価値体系そのものの変革を図ることによりリーダーシップを獲得しようとする。ここで最も重要なことは、新しいビジョンの提示である。政治変革を目指す新たな政党のリーダーがこれに当たる。

 創造的リーダーシップは、革命のような急激な変化の際には決定的な影響を果たすが、変化が一段落を告げて政治社会が安定を取り戻すようになると、今度は代表的リーダーシップが支配的な位置を獲得するのが普通である。

 

 ・投機的リーダーシップ

 創造的リーダーシップとは異なり、価値体系そのものを変えようとはしない。むしろ、あらゆる階層に対してその場限りの公約を乱発する。その公約は、相互に矛盾するだけでなく、初めから達成不可能であることがわかっている。ナチズムとファシズムがその典型的な例ではあるが、こうした例にも明らかなように、投機的リーダーシップはしばしば大衆のカリスマ的リーダーへの熱烈な期待を満足させるものとして成立することが多い。



エリート論

・モスカ「エリートの少数支配」

民主制・君主制を問わず、いかなる国家においても、常に組織された少数派が支配する。これは少数者が少数者であるがゆえに組織しやすく、多数者は多数者ゆえに組織されにくい。

 

・パレート「エリートの周流」

 エリートの周流の理論によれば、あらゆる社会は一部の統治エリートと多数の非エリートによって組織されている。そして統治エリートはその社会性質において、知恵と術策に依拠する狐型と、信念に依拠するライオン型に分類され、狐→ライオン→狐で周流する。つまり革命なきエリートの交代が行われる。

 

・ミヘルス「寡頭制の鉄則」

 寡頭制とは、少数者によって政権が担われている国家形態のこと。ミヘルスは、ドイツ社会民主党に焦点をあて、民主的な理念を実現しようとして作られた組織が、肥大化していくととともにその組織の秩序を保つために逆に少数支配になっていくと指摘した。

 

パワー・エリート

 パワー・エリートは重要な結果を伴うような結果を下しうる地位を占めている人々のことである。ミルズは、大衆社会状況下にある1950年代のアメリカの権力構造を明らかにするために、パワー・エリートという概念を提示した。彼によれば、現代社会では、機能分化の結果、様々な領域の中でのエリートが存在するが、権力はその中の、政治・経済・軍事の3つの領域の頂点に位置するパワー・エリートに存在するという、一元的権力構造論を主張する。

 政治においては政治指導者が、経済においては会社幹部、軍事においては軍部高官が各パワー・エリートであるが、彼らは利害が構造的に一致する一つのグループを形成しており、国家の政策にも大きな影響を与えている。権力分立と民主主義を建前とするアメリカにおいても、権力構造の底辺では大衆社会化が進み、政治的無関心が支配的になっているため、実際にはこのようなエリートの支配を逃れられない。

 

 これに対して、リースマンは『孤独の群衆』において、政治的エリートと大衆との間の距離が接近し、支配者と被支配者との区別がつきにくくなった。「拒否権行使集団」は、農業・労働・専門家などの圧力団体のことである。彼らは、自己の利益が政治的に脅かされそうな時、持ちうる影響力を行使し、自己の利益を守ろうと行動する。このように、リースマンは社会において「拒否権行使集団」によって権力が分散されているとみる、多元的権力構造論を展開した。



圧力団体

 圧力団体とは、政治に対して、なんらかの圧力を行使し、特殊利益の実現を目指す集団のことをいう。圧力団体が形成した背景として、20世紀以降の工業化や都市化が大きい。すなわち、社会の利害が多様化し、立法国家から行政国家へと変換が図られたことである。行政国家が「社会の各分野で規制を強化すると、社会における利害の対立が発生し、人々は一個人のまま政治過程において自己の利益を達成できないため、なんらかの社会集団を組織するようになる。バーカーの「集団の噴出」となった。

 利益の対立は、代表原理の変質も起こった。全国民の代表である議員は、地域単位で選出する制度であり、地域を超えた広がりを持つ集団的利害を十分に代表することができなくなった。

 

 圧力団体の機能としては、第一に、利益表出機能である。社会に散々する潜在的欲求を集約し政治的欲求としてまとめあげ、これを広く社会に明らかにする機能である。第二に、地域代表制の補完機能である。地域代表の色彩の選挙制度を補完し、地域を超えた利害を代表する機能である。特殊利益の実現を第一に考えて行動するために、いかなる政党とも結びつく可能性があり、政権獲得は目指さない。



政党

 政党は、国民的利益の増進を目指して、政治的目的に関して同じ考えを持つ人々が、自分たちの政策の実現を目指して結成する集団である。国民的利益の増進を実現するためには、政党は選挙を通じて政権獲得を目指すことになる。ノイマンは政党を「現代政治の生命線」とし、政治過程に重要な役割を持つ

 政党の機能としては、政策形成機能があり、利益集約機能と利益表出機能がある。政党は、社会生活の場で生じる利益対立を政治的に解決するために、社会の要求や紛争を体系的にまとめあげる、利益集約機能を最重要機能としている。利益表出機能は、社会に散々する潜在的欲求を集約し政治的欲求としてまとめあげ、これを広く社会に明らかにする機能である。

 

サルトーリ

 政党を中心とした政治形態のことを政党政治というが、この政党政治が展開される枠組みを政党制という。

 サルトーリは、デュベルジェの一党制・二党制・多党制をより緻密に分類した。

・一党制:一党制については、一党制・ヘゲモニー政党制・一党優位制に分類される。

一党制は、たった一つの政党だけが存在していることを許されている政党制である。

ヘゲモニー政党制は、一つの政党を中心にして小政党の存在を認める政党制であるが、小政党は単に存在していることを有されているにすぎず、政権交代は起こり得ない。(ポーランド

一党優位制は、合法的に政党が存在しているにもかかわらず、一政党が投票によって多数派を占め、政権交代が発生していない政党制である。(55年体制の日本)

 

・二党制(二大政党制):2つの政党が強豪し、一方が過半数議席を獲得して単独政権を組織しているが、政権交代の可能性もある政党制のこと(アメリア・イギリス)イギリスでは、保守党と労働党アメリカでは共和党民主党の二大政党制となっている。

 二大政党制のメリットは、①政策争点がわかりやすい②政治的責任の所在が明確③単独政権で政権が安定している一方で、①国民の意思が反映しにくい②政策が類似する③多数党が政権を長期独占する。

 

・多党制:政党が3つ以上で、大抵の場合、一党で多数議席を獲得できないので、連立政権を組む政党制である。

多党制の長所は、①多様な国民の意見を取り入れられる②世論の変化で政権交代が可能である③政策が弾力的である。一方で、①政権が不安定②政治的責任の所在が不明確③政党内で主権の争いが起きる

限定的多党制は、政党数が3〜5で、政党間イデオロギーが小さいため、安定している。(ドイツ)

分極的多党制は、政党数が6〜8で、政党間いでオロギーが大きいため不安定。(ワイマール共和政時代のドイツ)

原始的政党制は、極端に多数の政党が乱立している政党制(マレーシア)



ネオコーポラティズムと多元主義

 代表論者はシュミッター。ネオコーポラティズムは、それを構成する集団の数が限定されており、団体の構成員は一つの団体にのみ所属し、参加義務がある。多元主義においては、それを構成する集団の数は限定されておらず、集団構成員は複数の集安に所属でき、参加は自発的である。

 ネオコーポラティズムにおいては、巨大な利益集団が国家の政策過程に政策的に組み込まれ、国家の政策に協力しながら、自己の集団の利益を部分的に達成しようとする。

 多元主義は、政府が利益集団に自由は活動を保証し、利益集団の競争に基づきそれぞれの政策ごとに多元的な意思決定を行う。

 

・ネオコーポラティズム

 ネオコーポラティズムとは、利益集団が頂上団体に集約され、頂上団体同士が政府機関と協調して政策を決定するような政策決定の型である。ここでいう頂上団体とは、業界横断的または業界を包括しているような団体のことである。これに近い現象は、労使協調体制を実現している北欧でみられる。

 コーポラティズムには、政府からの頂上団体の独立性が低い権威主義的コーポラティズム、独立性が高い自由主義的コーポラティズムの区分である。この区分はコーポラティズムとネオコーポラティズムに対応するものである。

 日本でも、審議会などで、行政官庁と主要な利益集団との協議によって、政策決定がなされる機会があり、コーポラティズム的な傾向があるとされる。ただ諸外国と比べ、労働組合の発言権が弱いために、特に労働的コーポラティズムといわれている。

 

多元主義

 複数の集団がお互いに競争関係にあり、それぞれの集団が利益を追求蔓ことで、公共政策の均衡が図られるというもの。アメリカで支配的な考え方。個々人が複数の集団に重複して加入しているため(重複メンバーシップ)一つの集団の利益だけを主張できないから、各集団の要求は穏健的なものになる。また、一つの利益集団の力が強くなると、それに対抗できる利益集団が登場し、利益集団間でチェックアンドバランスが働く(ガルブレイズの対抗権力)



政治的無関心

  政治問題全般について、積極的な反応や消極的な反応のいずれも示さないことを政治的無関心という、政治的無関心の増大は、民主主義の危機的兆候であるが、政治への過剰参加による統治能力低下によって民主政治の聴きにつながるとの見解もあり、一定の政治的無関心の存在が政治的安定につながるとされている。

 

・ラズウェル

ラズウェルは、政治的無関心を、紛争状態からの引退と定義した上で、3類型。 

①  脱政治的態度

かつて政治に関与したものの、自己の期待の充足ができず、アウィジに幻滅を抱き、政治に対して関心を示さなくなる場合。

 

②反政治的態度

無政府主義者にみられ、自己の世界観と相容れない政治的価値そのものを否定してしまい、政治に参加しようとしない

 

③無政治的態度

政治全般に興味関心が薄い場合。スポーツや芸術といった政治以外に関心を持っている。

 

・リースマン

政治的関心について2類型

①伝統的無関心

善近代社会において、政治は身分によって限られた少数者によって独占されていたため、多くの人々が一般的に政治的に関心を持つことが阻まれている

 

②現代的無関心

現代社会において、政治参加の機会が保障されているにもかかわらず、それを知りながら拒否し、政治情報を持ちつつもそれを受け付けようとせず、政治的責任を知りながらそれを果たさない政治的無関心である。

 

夜警国家福祉国家

 夜警国家は、市民革命後に成立した教養と財産を持った市民が社会の中心となった国家形態。絶対王政期は、国家権力が市民性軽のあらゆる分野に介入し多くの税金を徴収した。革命に成功した市民は、[国家は必要最小限の治安と国防の役割のみを果たせばよく、自由放任主義であること]を理想とした。このような形態を、ラッサールは、夜警国家と読んだ。また国家が担う役割の小ささから小さな政府、自由放任的であることから消極国家ともいう。また、立法府統治機構の中心であることから、立法国家ともいう。

 福祉国家は、20世紀に入り、世界恐慌普通選挙制の実現によって誕生した国家形態である、資本主義経済の発展は、貧富の格差の拡大などの社会問題を生み出した。また、普通選挙制の実現にとい、このような社会への不満を抱く大衆がこれまでの市民に変わって政治を担っていくようになる。こうして、社会保障政策の充実が図られることで格差を縮小していくことを目指す国家を福祉国家という。また国民生活に政府が介入してくことから積極国家、行政府が統治機構の中心であることから行政国家ともいう。

 

社会契約説

 国家の起源に関する代表的諸説として社会契約説がある。

 社会契約説は、自然状態・自然権自然法などの概念を用いて国家の起源や政治のあり方を論じる議論であり、市民革命後の17〜18世紀のイギリスやフランスで展開された。社会契約説では、まず国家が誕生する前の状態を自然状態という。自然状態において人間が持ちうる権利を自然権とよび、自然状態において実体法は無いが、人間が守るべき法として自然法が存在する。

  

 ホッブズは『リヴァイアサン』において、人間は利己的な存在であり、その人間が持つ自然権を自己の生命を保持できる権利とした。自然状態においては、各人は自己の生命の保持のために他者の生命を脅かすので「万人の万人に対する闘争」状態である。このように、自然状態は危険であるので、各人は契約をかわすことで、安全の確保に努めようとする。各人は、主権者に自然権を全面譲渡し、主権者は権力によって人民を保護する。ホッブズは、再び戦争状態に陥ることを防ぐため、一度主権者に自然権を譲渡すれば、それを人民に戻すことはできない、つまり人民の抵抗権を認めていない。ホッブズピューリタン革命期の思想家であるが、彼の理論は、絶対君主制への擁護になるとの批判がある。

 

 ロックの『市民政府二論』では、自然状態は一応自由で平等な状態である。しかし、自然権の一つである所有権を巡って戦争状態への転化を防ぐため、自然権の一部を譲渡する社会契約を結んで政治社会を形成し、その政治社会に統治機構を設立し、権力を信託する。統治機構が神託に反した場合、抵抗権を行使できる。

 

 ルソー『社会契約説』では、自然状態は自由で平等な理想状態である。しかし、文明の発達が、社会の不平等をもたらした。この不平等を克服するためには、人民が特殊意思を抑えて、公共の福祉を目指す一般意志に従って、国家と社会契約を結び、社会を作り直すことが必要であると考える。

 

三権分立

 近代国家の基礎原理として、権力分立がある、権力分立とは、権力を分散させて、権力の抑制を図るものである。権力分立は、君主がすべての権力を一人で掌握していた絶対君主制を打倒した、イギリスの市民革命での主張に見られるように、権力を行使するものに対する不信から生じたものである。したがって、権力分立は、個人の権利自由の保護という観点から自由主義的思想から生じたものである。

  権力分立は、法律を制定する立法権、法律の解釈によって個別の紛争解決を図る司法権、法律を執行する行政権の3つの権利から成るため、三権分立ともいう。

 

 ロックは『市民政府二論』にて、三権分立を提唱する。具体的には、国家権力を立法権と執行権に分離し、執行権については、他国と外交を行う連合権に分割した。執行権は現在の司法権と行政権にあたる。さらに、立法権を最高権力とし、多数決による議会の成立を主張した。また、執行権と連合権は君主が担う。

 

 モンテスキューは『法の精神』において、立法権・行政権・司法権三権分立を主張した。三権は平等であり、チェックアンドバランスを強調した。この主張はフランス人権宣言やアメリカの大統領制に影響を与えている。

 

功利主義

功利主義とは、行為の善悪を、快楽や幸福をもたらすかによって判定するものである。

 

ベンサム

 人間は、苦痛を酒、快楽を追求しようとする。そしてその行為の結果に置ける快・苦の増減によって、行為の善悪が決定される。また、人間は利己的な存在であるが、結果における最大多数の最大幸福を目指すという点で、個々人は社会的に結びつく。また、快楽は計算可能で、質的に差異がない。量的功利主義と言われている。積極的な立法政策を主張した。

 

・ミル

 ベンサム功利主義を受け継いで、これを発展。「満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがよい。満足した愚者であるより不満足なソクラテスである方がよい。」快楽の質的差異、快楽計算不可能であるとした。質的功利主義。私的な領域に対する政府の介入は、それが他者へ危害を加えるときに限り許容される(危害原則)。



福祉国家

 福祉国家とは、社会保障政策を通じてコック民の福祉を積極的に推進する国家であり、国民の最低限の生活水準(ナショナルミニマム)を保障する国家である。福祉国家という概念は、WW2中イギリスにおいて、ナチスドイツへ対抗するために用いられたのが起源。イギリスのベバリッジ報告によって「ゆりかごから墓場まで」といわれる社会保障社会権として確立した。

 

 福祉国家成立要因については、ウィーレンスキーは、経済水準や政治体制の類型などの要素と社会保障の対GDBとの関係を分析した。そして、長期的に見れば、その国の国家体制は関係なく、その国の経済水準や社会福祉水準が根本的要因になっている。

 

 エスピンアンデルセンは、『福祉資本主義の3つの世界』で、脱商品化と階層化という2つの指標を用いて、福祉国家を類型化した。

・脱商品化とは、労働力の商品としての性格の強弱を測る指標

・階層化とは、すべての市民が福祉政策を手厚く受けられるかどうかを測る指標

脱商品化低く、階層化高い=自由主義型 アメリ

脱商品化高く、階層化低い=社会民主主義型 スウェーデン

脱商品化高く、階層化高い=保守主義型 ドイツ

自由主義型と保守主義型の混合型は日本

 

 

 以上